漢方の知恵で見事に改善できた。長年異常なしと診断され続けた謎の体調不良。
体調が悪くても「異常なし」と診断されてきた私の謎の体調不良。
常に、「頭痛にならないように」「吐き気が起こらないように」と警戒しながら、それによって気持ちにもブレーキを掛けながら、体に良いと言われる事はなんでも試してきました。
しかし、根本改善の兆しが見つからず、40代になると益々頻度の増していく頭痛や嘔吐に「この先どう生きていけばいいのか?」と疲れ果てていた時に、漢方カウンセリング という存在を知りました。
漢方との出逢いにより、遂に謎の体調不良の原因を突き止めることができました。その原因は、ズバリ!女性特有に起こる症状そのものでした。
便秘・冷え症・更年期・慢性頭痛・月経にまつわる症状など、死に至る病気ではないけれど、辛い思いをしている症状の改善や緩和。
20年近く「問題ない」と診断されながら辛い思いを抱え、体に良いと言われるありとあらゆることを試して来ましたが、”漢方の知恵” で、一つ一つ確実に快適な体調に改善されていきました。
さらに、漢方カウンセリングをきっかけに、私も漢方学 を学びました。
女性の身体は、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性ホルモンの変動に伴って、若い頃から常に”血の道症” を抱えている訳ですが、その症状といかに共存していくか?という問題に対して、社会の認識と理解はまだまだ不足しているのが現状だと思います。それにより、辛い症状を理解されないことで苦しんでいる女性は実はたくさんいるはずです。
そこで大事な事は、私たち自身が自分の身体への理解をし、自己管理方法を知り、実践していくことだと思いました。そうすることで、専門医に適切な漢方薬を処方してもらうことができるし、漢方薬による体調の変化も体感し易くなっていくと思うのです。
人生100年と言われる時代になりましたが、それがどういうことかと言うと、老化していく身体と共にいかに生きていくか?という未知なる未来を歩むということです。そのためにできる備えとして、自分に向き合い、自己管理を習慣化して日々を暮らすことではないでしょうか。
そこで、漢方学で学んだ身体への理解をまとめてみました。
心身一如について

漢方では、 ”心身一如 ” の考え方で、その人の生活習慣から心の傾向などを含め、総合的に不調の原因を探して行きます。
心身一如とは、「心と身体は繋がっている」ということ。「心と身体は一体である」という漢方医学で重視する概念。
「タマゴが先か?ニワトリが先か?」ではないけれど、体調不良の原因を探ると、「身体がやたらと疲れを感じる時には、心もかなり疲れている」と氣付かされるものです。また逆もしかりで、身体の調子が良いと精神的にも前向きで居られることを感じたことがあると思います。
私たちの心と体は、関わる環境の影響と共に、衰えたり盛んになったり絶えず変化しているのです。この変化に振り回されて一喜一憂し過ぎてしまうと、バランスが乱れて不調体質が作られてしまいます。
つまり、「生きている限り変化は起こるもの」と理解して、「違和感を感じたらバランスを取ることに意識を向ける」ことが身に付けばいいのです。
自然治癒力について

自然治癒力とは、生命を保持しようとする力のことです。
心身一如の総合的な視点を広げると、私たちは自然の中の一部であり「人間は小宇宙である」ということを認識していくと思います。
自然界の植物の力を借りることで、生命を保持しようとする”自然治癒力” を高めることができ、不調を改善していけるのです。その人の体調に沿って正しく処方された漢方薬は、自然治癒力を高めるはたらきを促してくれるものとなります。
漢方的ものさしとは

”漢方的ものさし”とは、”氣血水・虚実・陰陽五行説 ” など、人間の性質をバランスする様々な観点のことです。この”漢方的ものさし”の観点から 「治したい症状」や「その人の体質」などを見極めていき、その人の ”今現在の自他覚症状 ” を探し当てていきます。
氣血水

- 「氣」は、生命エネルギーであり、はたらきだけがあって形として見えないもの。「呼吸」と捉えると分かりやすいと思います。
- 「血」は、文字通り「血液」のこと。
- 「水」は、血液以外の体液のことで、「汗・涙・唾液・胃液」などのこと。
私たちの身体を機能させるための基本的要素のこと。氣血水が順調に全身を巡ることが不可欠で、「氣」が基盤となります。 氣血水を心身一如的に見ると、「氣=心」「血水=身体」となります。
◎ 体内で氣血水が不足した状態は・・・
- 心配し過ぎで氣を消耗する。(氣虚)
- 恐怖で血の氣が引く。(血虚)
- 緊張して喉が乾く。(陰虚)
◎ 体内で氣血水が停滞した状態は・・・
- 我慢し過ぎて息が詰まる思い。氣が重い。(氣帯)
- 運動不足で血の巡りが悪い。(瘀血)
- 夕方になると足がむくむ。(水毒)
氣血水の相互関係により、「氣虚も氣帯もある状態」や「瘀血から水毒を引き起こす」ことも起こります。
私たちは氣血水すべての要素を持ち合わせている訳で、どの要素が強くなり過ぎたり、または、弱くなり過ぎているか?ということで、決して1つの要素だけが問題とは限らないのです。
漢方では、まずは今一番辛いと感じる症状の回復に向けて取り組んでいきます。
回復までの過程は、「絡まった糸をほどいていくようなステップを踏んでバランスを取り戻していく」とイメージをしてみると、焦らずに変化に向き合っていくことができると思います。
虚実

「虚証」とは、体力が質的に衰えた状態で、胃腸が弱かったり、疲れやすい体質のこと。虚証タイプは、体調不良に敏感なため、ケアしながら長生きするタイプと言われています。
「実証」とは、病氣を引き起こす元が過剰で滞った状態で、胃腸が丈夫で疲れにくく、一見丈夫な体質のこと。実証タイプは、自分の不調に鈍感で氣付かないため、病気が見つかった時には既に手遅れな場合があり、早死にするタイプと言われています。
陰陽五行説
陰陽とは

「陰陽」とは、自然界のすべてのものは、陰と陽の二つの側面があると考えられます。例えば、「朝 vs 夜」「明 vs 暗」「温 vs 寒」など。「陽=動的、陰=静的」を象徴します。
陰と陽は、反対の性質を持ちますが、互いに過不足を補い、抑制し合いながら、支え合いバランスを保っているのです。
- 性別では「男性=陽 vs 女性=陰」
- 身体では「上半身=陽 vs 下半身=陰」「背中側=陽 vs おなか側=陽」
この陰陽の関係性を応用した漢方養生(時刻、季節、体質、性別、年齢、食事、感情)を日常生活で意識することで、自己管理を身に付けることができます。
漢方養生は、氣血水のバランスを整えることにも繋がっていきます。そして、心と身体の変化に氣付き易くなる上に、氣血水のバランスを保つ意識を身に付けることができるようにもなっていきます。
※ 漢方養生については、また別の機会に深掘りしていきたいと思います。
五行説とは

「五行説」とは、自然界のすべての事物は、”木・火・土・金・水” の五つの要素の運行と変化によって成り立っているという考えを基に、人間の心身も、五行が五臓六腑と対応していると考え、感情や季節、色などの性質も対応しており、その関係性(相生・相剋)を当てはめて見ていきます。
五行に対応する五臓は、”肝・心・脾・肺・腎 ” となり、
五臓に対応する六腑は、”胆・小腸(三焦)・胃・大腸・膀胱 ” となります。
六腑に対応する五根(感覚器官)は、”目・舌・口・鼻・耳 ”となり、
更に五行に対応する五志(不調の時の感情)は、”怒・喜・思・悲・恐 ” となります。
■ ストレスから派生する体調不良を五行説に沿って解説してみます。
- ”怒” という感情が溜まっていく環境下が続くと、
- 身体の中では、”努”の感情を、 ”肝” が必死に受け止めてくれている状態になっています。
- そのままストレスを放置していると、 ”肝” に熱がこもって来ます。
- すると”氣” の循環が滞ってきて、”肩こり” や ”お腹が膨満” などの ”張る” 症状が体調不良として出て来ます。
- その症状が放置されると、血の巡りも滞って ”瘀血”になり、”生理痛” などが酷い症状として出て来ます。
■ 頭痛や便秘も五行説に沿って見直していくことができます。
頭痛や便秘などもこのように探っていくと、体調不良の原点は、不調をもたらす感情から始まったと氣付かされます。
☆ チネイザンと呼ばれる「氣内臓療法」を受けた後に、手に負えないレベルの感情の大爆発が起こり、感情が内臓に反映することを痛い程体感しました。
漢方カウンセリングの「四診」
「四診」とは、”問診・聞診・望診・切診” からなる「四診」でその人を診ていく、漢方的診察です。望診は舌を診ること(舌診)で、切診はお腹を触って診ること(腹診)です。
舌診

「舌の変化」は「体調の変化」を写し出していることをご存知ですか?
「舌は体内の状態をあらわす鏡」とも言われ、舌には、足裏のように内臓の反射区があり、五臓六腑の状態が分かるのです。

■ 舌を診るだけで何が分かるのか?
- 舌の色や形・大きさや厚み・舌苔の色や量・潤いや乾燥の状態・舌を出す力などから、氣血水や虚実が分かります。
- 舌裏では瘀血の状態が分かります。
- 舌診は、漢方薬を選ぶ判断材料にもなります。
腹診

■ お腹を触ると何が分かるのか?
- お腹の弾力によって、氣血水のバランスが取れているか、不足・停滞しているかが分かります。
- みぞおちの辺りにはストレスの状態が現れています。ストレスが酷いと、ここに充満感や痛みを感じたりするでしょう。
- お腹の中がポチャポチャしてる音がする場合、”水毒” だったり ”冷え” ていることが分かります。
- おへその周りを押した時にドクドクする硬さがある場合、”瘀血” や ”氣虚” ”氣帯” が隠れているでしょう。
- おへその真下に力の抜けた所がある場合、腎の力が弱っている状態です。”腎虚” と言って、足腰に力が入らない状態になっているはずです。
まとめ
私が長年苦しんでいた謎の体調不良は、女性特有に起こる、女性ホルモンに関係する”血の道症”から来る不調でした。
漢方に出逢えたことで、すっかり、しっかり改善することができました。
漢方的ものさしと言われる「氣血水・虚実・陰陽五行」について把握できるようになってくると、自然治癒力を高めて健康的に過ごすために「いかにバランスを整えていくか?」と、体の不調を謎に思い悩むのではなく、自分で改善策を見つけて行けるようになるようです。
漢方の知恵は、心と身体の繋がりに氣付き、自分を振り返り、自分を見て、そして自分を知っていく。そんな自分らしく在ることへと導いてくれるものだと思います。
「病院に行くほどではないけれど、何か体調が優れなくて辛い」 「症状が辛いのに、医者の診察でも原因がはっきりせず不安を抱えている」「年齢と共に増してくる疲労感を、体質を見直し改善していきたい」などのお悩みを感じていたら、一度、漢方カウンセリングを受けてみることをお薦めします。